ひとこと多い。説教をくどくどと垂れる。支配したがる。嫌らしいニヤケ顔が不快。掃除中部屋をでなければならない。毎朝9じから憂鬱になる。
家主はネワールで、だらしない男だが、言い訳や屁理屈はネパール人の割には少ない方。アーリア系(バウン、チェトリ)のように耐え難くなることは少ない。
ところがこの掃除女はチェトリか何かのように見える。掃除というと被差別カーストと思いがちだが、都会のビルの掃除などはそういうことはもうあまり関係がないのかもしれない。ただ、役所の事業である公道の清掃作業についているのは被差別カーストの人たちかもしれない。
とにかくひとこと多い。優位に立ちたがる。態度がでかい。自分を意識させようとする。しゃべくりで人を嫌な気持ちにさせたことが「勝利」だと思っているフシがある。これらは典型的なアーリア系カーストの特徴。30歳くらいだと思うがすっかり化物化したババアである。
ところが、このババアと6階に住んでいるキレイゴト滞在の日本女とがずいぶん仲が良いようなのだ。日本女はネパール語が得意なようで、よくこの掃除女と長話をしている。日本人にありがちなことだが、この場での立場の違いをわきまえずに下手に出て「甘え」を見せるようなことをすると、賎しい者から軽く見られ軽蔑されることになる。一般に海外で賤しい立場のものに甘く見られて得られるものは何もない。軽蔑だけである。下の者に心を許してはならない。表面以上に「フレンドリー」になってはいけないのだ。フレンドリーな挨拶は、「区別」をハッキリ示すための作法である。